鍵トラブル業界で深刻化しているのが、ネット広告を入り口としたぼったくり被害です。国民生活センターや各地の消費生活センターには、解錠やシリンダー交換で「数十万円を請求された」という相談が多数寄せられています。
悪質な事業者が用いる典型的な手口は以下の通りです。
まず検索エンジンのリスティング広告などで「作業料金500円〜」「出張費0円、最短10分到着」といった極端な格安表示でクリックを誘います。深夜の鍵紛失や締め出しに遭い、冷静な判断力を失った利用者はこの数字を鵜呑みにして電話をかけます。
現場に到着した作業員は、簡単な解錠作業を試みることなく「この鍵は最新の特殊構造だからピッキングは不可能」「ドリルで破錠して丸ごと交換するしかない」と告げます。利用者が困惑している隙に作業を進め、最終的に「特殊破錠工賃」「深夜特別出張料」「高性能シリンダー代」「防犯施工費」などの名目で10万円から15万円前後の請求書を突きつける手口が横行しています。
玄関ドアが開かない極限状態にある利用者は、恐怖心や早くトラブルを収束させたい心理から、その場で支払いに応じてしまいがちです。現場での事前見積もり書面へのサインがないまま作業を開始しようとする業者には、その場で作業を制止し、明確な総額提示を求める毅然とした姿勢が不可欠です。