疫学的な追跡データによると、虚血性大腸炎の再発率は約10〜15%と報告されています。再発の最大の誘因として挙げられるのが、便秘による強いいきみ(怒責)と体内の脱水です。
トイレで強くいきむ動作は、腹圧を瞬時に上昇させ、大腸壁内の微小血管を締め付けて血流を途絶させます。これを防ぐためには、便の硬さを適切に保ち、力まずに排便できる環境を整えなければなりません。ここで極めて有効な働きをするのが、水溶性食物繊維です。
食物繊維には、水分を吸収して便のかさを増やす「不溶性」と、水分を抱え込んでゲル状にし便を滑らかにする「水溶性」があります。便秘予防としてゴボウや玄米などの不溶性繊維を多量に摂ると、狭窄部や傷ついた大腸管腔を閉塞させ、腹痛を悪化させるリスクが生じます。対して、完熟バナナに含まれるペクチンをはじめ、海藻抽出物、煮た大根、にんじん、里芋などに含まれる水溶性食物繊維は、腸壁を保護しながら穏やかな排泄を促します。
さらに、大腸への血流維持には水分摂取が直結します。就寝中や早朝は血液の粘度が上がりやすいため、起床時と毎食前後、入浴前後にコップ1杯の常温水を補給し、1日あたり1.5〜2リットルの水分を確保することが再発予防の土台となります。