給料日前後の深夜、SNSや知恵袋、コミュニティ掲示板には、残高不足や支払いの焦燥感から同様の悲鳴が数多く投稿されます。
ある大手掲示板では、毎月24日深夜23時59分から25日未明にかけて「25日になったのに給料が入っていない。電気代の引き落としに間に合わない」「0時10分になっても口座残高が300円のままで震えている」といった書き込みが集中します。しかし、同一ユーザーの投稿を追跡すると、その大半が「朝起きて7時にアプリを見たらちゃんと入金されていた」「8時半にATMへ行ったら引き出せた」と報告しており、未明の数時間のタイムラグが不要な不安を生んでいる実態が浮き彫りになっています。
一方、中堅メーカーで経理統括を務める実務担当者は、給与振込オペレーションの裏側について次のように証言します。
「給与振込は、振込期日の通常3営業日前(金融機関との契約によっては2営業日前)の午前中までに、ファームバンキングを通じて総合振込データを送信し、承認処理を完了させる必要があります。当社側で送信処理を完了した後は、完全に銀行間ネットワークのシステム処理待ちとなります。従業員から『0時を過ぎたのに入金されていない』とお問い合わせをいただくことがありますが、会社側が正しく手配していても、銀行の夜間処理が終わって口座に印字されるのが早朝になることは避けられません」
このように、企業の給与支払義務は期日通りに履行されていても、末端の端末画面に数字が表示されるまでには、どうしても物理的な情報処理時間が介在するのです。