認知心理学における「スキーマ理論」および「精緻化リハーサル」の観点から見ると、語彙を単なる文字列として暗記するよりも、前後の論理関係やエピソード記憶(物語の展開)と紐づけてインプットする方が、長期記憶への定着率が飛躍的に高いことが実証されています。『速読英熟語』は、まさにこの認知科学の王道を体現した設計となっています。
しかし、認知負荷の高さゆえに、万人に適しているわけではありません。本書を選択すべきか否かの判断基準は以下の通りです。
【本書を絶対に選ぶべき人】
- 高校基本レベルの英単語(1,200〜1,500語程度)と基礎英文法(解釈の基本)が一通り身についている人
- 英語の長文読解スピード(WPM:1分あたりの読語数)を上げたい、返り読みの癖を矯正したい人
- 共通テストや私大入試のリスニング対策を、リーディング対策と並行して効率的に進めたい人
- 知的で論理的な英文を読みながら、背景知識とともに語彙を吸収したい人
【本書を避ける、または後回しにすべき人】
- 中学英語や高校初級の文法(準動詞、関係詞、仮定法など)の理解に不安がある人(まずは文法・解釈書を優先すべき)
- システム英単語やターゲット1900などの基本単語帳が1周も終わっていない人
- 入試まで残り2カ月を切っており、長文を読み込む時間が物理的に残されていない人(短文列挙型の熟語帳で急速暗記を推奨)