「名入れの文字は、日常的に使っているうちに摩擦で消えてしまうのではないか?」という疑問を持つ方も少なくありません。これに対する現代の技術的回答は「通常のレーザー彫刻であれば、文字が擦り減って消える心配はほぼ皆無」です。
安価なプラスチック製品に施されるシルクスクリーン印刷とは異なり、金属製ボディのパーカー製品(IMやソネットなど)に対する名入れは、高精度なファイバーレーザーによる彫刻が主流となっています。ペンの表面塗装をミクロン単位で削り、母材である真鍮(ブラス)の地金を露出させる「下地出し加工」を行うため、経年劣化で文字が剥離することはありません。
ここで注意すべき盲点は、「本体カラーによって彫刻文字の仕上がり色が異なる」という物理的な法則です。例えば、ブラックラッカー仕上げのペンにレーザー彫刻を施すと、下地の真鍮が顔を出し、上品で華やかなゴールドカラーの文字が立ち上がります。一方で、ステンレススチールやシルバー系の軸の場合、文字のコントラストが控えめになり、光の加減で見え隠れするシックな仕上がりとなります。「文字をはっきりと見せたいのか」「さりげなく潜ませたいのか」によって、本体カラーと彫刻の相性を計算することがプロの見立てです。