ネット上のQ&Aサイト等で頻繁に見かける危険な言説の一つに、「犬の散歩代行は自宅で預かるわけではないから、動物取扱業の登録がなくても法的に誰でもできる」というものがあります。これは極めて危うい誤解です。
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)において、他人の動物を有償で預かり管理する行為は「保管業」に該当します。業として継続的に散歩代行を行う場合、各自治体の動物愛護センターへの第一種動物取扱業(種別:保管)の登録が法律上の義務となります。行政の立ち入り検査を受けず、動物取扱責任者を配置していない無登録業者は、それだけで法令遵守意識に重大な疑義があると言わざるを得ません。
また、犬の散歩代行 個人契約の注意点として見落とされがちなのが、民間資格の有無と保険の適用範囲です。信頼性の高い指標となるのが、日本ペットシッター協会が認定する「ペットシッター士」や、動物看護師、愛玩動物飼養管理士といった公的・民間資格です。これらの有資格者は、犬の行動生理や感染症予防、救急蘇生法に関する体系的な講習を修了しています。
さらに恐ろしいのは、無登録の個人や副業代行者が「施設所有管理者賠償責任保険(ペットシッター保険)」に未加入であるケースです。万が一、散歩中に犬が通行人に噛みついて大怪我を負わせたり、他人の飼い犬と喧嘩になって相手を死傷させた場合、損害賠償額は数百万円から1,000万円を超える事例すら存在します。保険未加入の個人代行者に支払い能力がなければ、法的な最終責任は管理を委託した飼い主自身に跳ね返ってくるリスクを孕んでいます。