飲み会の前に「どうしても顔が赤くなるのを防ぎたい」「即効で赤みを引かせる裏技はないか」と検索する人は後を絶ちません。しかし、結論から言えば、赤みを一瞬で消し去る医学的特効薬は存在しません。
インターネット上では「市販のH2ブロッカー胃腸薬やアレルギー薬(抗ヒスタミン薬)を事前に飲めば血管拡張が抑えられて赤くならない」という極めて危険な裏技が拡散されることがあります。確かに毛細血管の拡張を一時的に抑え、顔の赤みを緩和させる作用はありますが、これはアルコールの分解を助けるどころか、肝臓でのアセトアルデヒド代謝を阻害し、血中アルコール濃度を異常に跳ね上がらせる劇薬行為です。海外ではこの組み合わせによる急性アルコール中毒や心停止の事故が多数報告されており、絶対に真似をしてはなりません。
顔の赤みを極力穏やかにし、身体のダメージを最小限に抑えるための正しい実践的アプローチは以下の通りです。
1. 空腹での飲酒を徹底的に避ける:空腹時は胃を素通りして小腸からアルコールが一気に吸収され、肝臓の処理能力を一瞬でオーバーフローさせます。飲酒前にオリーブオイルを使った料理、チーズ、ナッツ類、あるいは豚肉などのタンパク質を胃に入れておくことで、吸収スピードを物理的に遅らせます。
2. 「和らぎ水(チェイサー)」をお酒と同量以上飲む:お酒を一口飲んだら、同量の水を飲むルーティンを徹底します。血中アルコール濃度の上昇を緩やかにし、アセトアルデヒドの急速な血中放出を緩和します。
3. 飲むお酒の種類を選ぶ:不純物(コンジナー)の多い濃縮酒や醸造酒よりも、蒸留酒(ウイスキーの水割りやハイボール、焼酎のお湯割りなど)を薄めにしてゆっくり飲む方が、肝臓への急激な負担を減らし、悪酔いや激しいフラッシングを抑制できます。
4. 代謝を助ける栄養素の事前補給:肝臓の代謝サイクルをサポートするタウリン、ビタミンB1、ナイアシン、あるいはアミノ酸群を含むサプリメントをあらかじめ摂取しておくことは、分解酵素の補因子として一定の助けになります。