「塩辛いものは控えているのに、健康診断で血圧が下がらない」――大手ポータルサイトの知恵袋やSNSのコミュニティを調査すると、こうした切実な声が数多く見受けられる。実は、塩分過多を引き起こす真の要因は、醤油や塩そのものよりも、「甘みや旨味の裏に隠された塩分(隠れ塩分)」にある。
食品加工の現場を取材すると、保存性の向上や食感の維持、生地の膨らみや保水性を保つ目的で、多量の食塩やナトリウム化合物(炭酸水素ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなど)が使用されている実態が分かる。消費者が「塩辛い」と感じない食品であっても、成分表を精査すると驚くべき食塩相当量が含まれているケースが少なくない。
【注意すべき代表的な「隠れ塩分」食品リスト】
- 食パン・菓子パン:食パン6枚切り1枚には約0.7〜0.8g、クロワッサンや総菜パンには1.5g以上の食塩相当量が含まれる。朝食にトーストとハムエッグ、スープを合わせるだけで、1食2.5gを超える場合がある。
- 練り製品(かまぼこ・ちくわ・さつま揚げ):魚のすり身を固めて弾力を出すために塩分が不可欠であり、ちくわ1本で約1.2g、かまぼこ数切れで約1.0gの食塩が含まれる。
- 麺類のスープ:ラーメン1杯のスープには5〜7g、うどんや蕎麦のつゆにも4〜6gの食塩が溶け込んでいる。麺だけを完食してスープをすべて残せば、摂取塩分を約半分(2〜3g程度)に圧縮できる。
- 市販のドレッシング・ポン酢:大さじ1杯あたり約0.7〜1.0g。健康志向で生野菜サラダを大量に食べても、ドレッシングをたっぷりかけてしまえば逆効果となる。
- スポーツドリンク・経口補水液:熱中症対策には有効であるものの、500mlあたり約0.5〜1.2gの食塩相当量(ナトリウム換算)を含むため、運動を伴わない平時の過剰摂取は避けるべきである。