開始時期と同じくらい多くの人が判断を誤りやすいのが、「花粉症の薬はいつまで飲むべきか」という期間の問題です。3月中旬を過ぎて春分の日あたりになると、スギ花粉のピークが徐々に落ち着きを見せ始めます。「症状が軽くなったから」と自己判断で服薬をスパッと中断してしまう人が少なくありませんが、これは典型的な再発トラップです。
第一に、本州の多くの地域では、スギ花粉の飛散が収束に向かう3月下旬から4月中旬にかけて、入れ替わるように「ヒノキ花粉」の飛散ピークが到来します。スギ花粉症患者の約7割はヒノキ花粉のアレルゲンにも交差反応を示すため、4月に入って急激なぶり返しに見舞われるケースが後を絶ちません。
第二に、たとえ花粉の飛散量が減っても、粘膜の過敏性が平常時の状態にまで回復するには一定のタイムラグが存在します。飛散終了直後のデリケートな時期に服薬を止めてしまうと、黄砂やPM2.5、大気汚染物質の微細な刺激に対してもアレルギー反応が再燃してしまいます。
したがって、確実な出口戦略としては、「各地域のヒノキ花粉飛散が完全に終息する4月下旬〜5月上旬」まで服薬を継続することが推奨されます。症状の落ち着きを確認しながら、まずは点鼻薬や点眼薬の頻度を落とし、最終的に内服薬を徐々にフェードアウトさせていくステップを踏むことで、春シーズン全体の完全勝利を収めることができます。