無塩せきソーセージは体に悪い?塩分の真相と発色剤の罠をプロが検証

無塩せきソーセージは体に悪い?塩分の真相と発色剤の罠をプロが検証

無塩せきソーセージは体に悪い?塩分の真相と発色剤の罠をプロが検証についての疑問解決ガイドを徹底解説します。

店頭で並ぶ商品を見比べた際、無塩せきと通常ウインナーの違いはどこにあるのでしょうか。その核心は、製造工程における「塩せき(えんせき)」と呼ばれる漬け込み工程にあります。

一般的なウインナーソーセージは、原料肉に食塩や香辛料とともに、発色剤・亜硝酸ナトリウム不使用ではなく、亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウムなどの発色剤を加えて一定期間熟成させます。この塩せきによって、肉中のミオグロビンがニトロソミオグロビンへと変化し、加熱後も鮮やかなピンク色(桜色)を保持します。一方、「無塩せき」とは、この塩せき工程を行わない、あるいは発色剤を用いずに原料肉を調味加工する製法を指します。

発色剤を使用しないことには明確なメリットがあります。亜硝酸ナトリウムは、肉に含まれるアミン類と胃の中で結合することで、強力な発がん性物質とされる「ニトロソアミン」を微量に生成する可能性が学術的に指摘されてきました。世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)が加工肉を「ヒトに対して発がん性がある(グループ1)」に指定した背景にも、このニトロソアミンの生成懸念が深く関わっています。

しかし、発色剤を抜くことにはデメリットも伴います。肉本来のくすんだ茶褐色・灰色がそのまま仕上がりに反映されるため、「見た目の美味しさ」が損なわれやすい点です。さらに、亜硝酸ナトリウムが持っていた特有の「塩せき臭(ハム・ソーセージ特有の風味)」が付与されないため、肉の獣臭をごまかすことが難しく、原料肉そのものの鮮度や品質、香辛料の巧みな配合がよりシビアに問われることになります。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。