高張性脱水とは?命に関わる原因や低張性脱水との違いと輸液治療を解説

高張性脱水とは?命に関わる原因や低張性脱水との違いと輸液治療を解説

高張性脱水とは?命に関わる原因や低張性脱水との違いと輸液治療を解説に関する知りたいポイントをわかりやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

脱水症への対応で致命傷になりやすいのが、脱水の種類の取り違えです。脱水は体液の浸透圧変化に応じて「等張性」「低張性」「高張性」の3群に大別されます。下痢や嘔吐などで水と塩分が同等に失われる等張性脱水や、下痢・嘔吐時に水だけを補給して塩分が薄まる低張性(塩分欠乏性)脱水とは、体内動態がまったく異なります。

検査所見やバイタルサインの現れ方を正しく把握するため、主要な相違点を一覧表にまとめました。

項目高張性脱水(水分欠乏性)等張性脱水(混合性)低張性脱水(塩分欠乏性)主たる喪失要素水分(電解質より水が多い)水分とナトリウムが同等ナトリウム(水より塩分が多い)血清Na値基準145mEq/L以上(高値)135〜145mEq/L(正常範囲)135mEq/L未満(低値)血清浸透圧295mOsm/kg超へ上昇正常範囲を維持285mOsm/kg未満へ低下水分移動の方向細胞内から細胞外へ流出浸透圧差による移動なし細胞外から細胞内へ流入主たる臨床症状激しい口渇、発熱、意識障害血圧低下、頻脈、全身倦怠感低血圧、頭痛、筋痙攣、ショック循環血液量の維持比較的保たれ血圧低下は遅れる喪失量に比例して減少する早期から激減し虚脱しやすい

採血検査データにおける最大の鑑別点は、血清ナトリウム濃度とヘマトクリット値、総蛋白の動向です。低張性脱水では細胞外液が枯渇するため早期に血圧低下や頻脈が現れますが、高張性脱水では細胞内から水分が補充されるため、末梢循環不全が表面化しにくい特徴を持ちます。この「見かけ上の血行動態の保たれやすさ」こそが、発見の遅れを招く最大の落とし穴です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。