頭皮に触れた際、筋肉痛のような重苦しさではなく「一瞬電気が走ったようなピキピキした痛み」が走る場合は、後頭神経痛の疑いが濃厚です。首の後ろから頭頂部・側頭部へと伸びる大後頭神経や小後頭神経が、首の筋肉のコリや頸椎の歪みによって物理的に圧迫・刺激されることで、発作的な電撃痛が側頭部へと放散します。
そして、最も厳重な警戒を要するのが側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)です。これは主に50歳以上の中高年に好発する大型血管炎で、側頭部を走る浅側頭動脈に炎症が生じる指定難病の一つです。放置すると炎症が眼動脈に波及し、不可逆的な失明に至るリスクが極めて高いため、早期発見が生死やQOLを大きく左右します。
以下の表は、側頭部を押した際に痛む主要な原因疾患と、その決定的な判別指標を整理したものです。
日本神経学会や日本頭痛学会が提示する危険な頭痛の見分け方(いわゆるSNOOP基準)に照らすと、「50歳以降の初発頭痛」「発熱や体重減少を伴う」「片側の視力低下や物が二重に見える」「側頭部の血管が太く蛇行して浮き出ている」といった項目が1つでも該当する場合、絶対に自己判断で放置してはなりません。