側頭部を押すと痛い原因は?危険な病気のサインと受診科の判断基準

側頭部を押すと痛い原因は?危険な病気のサインと受診科の判断基準

側頭部を押すと痛い原因は?危険な病気のサインと受診科の判断基準とはどのようなものなのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

頭皮に触れた際、筋肉痛のような重苦しさではなく「一瞬電気が走ったようなピキピキした痛み」が走る場合は、後頭神経痛の疑いが濃厚です。首の後ろから頭頂部・側頭部へと伸びる大後頭神経や小後頭神経が、首の筋肉のコリや頸椎の歪みによって物理的に圧迫・刺激されることで、発作的な電撃痛が側頭部へと放散します。

そして、最も厳重な警戒を要するのが側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)です。これは主に50歳以上の中高年に好発する大型血管炎で、側頭部を走る浅側頭動脈に炎症が生じる指定難病の一つです。放置すると炎症が眼動脈に波及し、不可逆的な失明に至るリスクが極めて高いため、早期発見が生死やQOLを大きく左右します。

以下の表は、側頭部を押した際に痛む主要な原因疾患と、その決定的な判別指標を整理したものです。

疾患・状態痛みの特徴と押した時の感覚発症年齢・好発条件危険度と対応方針緊張型頭痛(側頭筋炎/コリ)頭全体が締め付けられる重だるい鈍痛。筋肉を押すと痛気持ちいい〜鈍痛。20〜50代(デスクワーク・VDA作業従事者に多発)低〜中。ストレッチ、姿勢改善、温熱療法が有効。後頭神経痛耳の後ろから側頭部へ走る「ピキッ」「チクッ」とした数秒〜数十秒の電撃痛。全年齢(ストレートネックや急激な冷え・ストレス時)中。神経痛専用薬(プレガバリン等)や首の安静で軽快。側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)こめかみの血管が索状に硬く腫れ、触れるだけで激痛。食事で噛むとあごが痛む。ほぼ50歳以上(70代以降がピーク、女性に多い)極めて高い。失明の危機があり、即日ステロイド投与が必要。顎関節症(咀嚼筋障害)あごを動かした時に側頭部や耳前部が痛む。押すと深部にズーンと響く。20〜40代女性に好発。歯ぎしり・噛み締め習慣者中。マウスピース(スプリント)療法や生活習慣是正。

日本神経学会や日本頭痛学会が提示する危険な頭痛の見分け方(いわゆるSNOOP基準)に照らすと、「50歳以降の初発頭痛」「発熱や体重減少を伴う」「片側の視力低下や物が二重に見える」「側頭部の血管が太く蛇行して浮き出ている」といった項目が1つでも該当する場合、絶対に自己判断で放置してはなりません。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。