ALが選ばれる決定打として語られるのが「低アレルギー性」と「抜群の飼いやすさ」です。しかし、現場の獣医師やトレーナーへの取材、愛犬家コミュニティの観察からは、美名だけに囚われてはいけない実情が浮かび上がります。
アレルギー完全フリー神話の真実
ALの被毛には、波状の柔らかい毛並みを持つ「フリース(Fleece)」、羊毛のようなしっかりしたカールの「ウール(Wool)」、直毛に近い「ヘアー(Hair)」の3タイプが存在します。フリースとウールはシングルコートに近く、換毛期でも毛が抜け落ちにくい構造をしています。
しかし、犬アレルギーの主因は毛そのものではなく、唾液や皮脂、フケに含まれるタンパク質(Can f 1など)です。抜け毛が飛び散らないことでアレルゲンの拡散は大幅に抑えられますが、「100%アレルギーが発症しない犬」は存在しません。家族にアレルギー保有者がいる場合は、事前にブリーダー施設などでふれあい体験テストを実施し、アレルギー反応の有無を直接確かめる手続きが不可欠です。
「賢さ」が裏目に出るケースと吠え癖・分離不安
セラピー犬として活躍するほど感受性が高く、人の感情を敏感に察知するALですが、この知性の高さは適切なリーダーシップとしつけがあってこそ活かされます。
知的好奇心が満たされない退屈な環境や、日常的な運動不足が続くと、家具の破壊行為やインターホンの音に対する過剰な警戒吠え、飼い主の不在時にパニックを起こす分離不安に発展します。甘やかすだけでは「頭が良いゆえに人間をコントロールする犬」になってしまうリスクを認識しなければなりません。