近年の社会を揺るがした新興宗教をめぐる金銭トラブルや二世信者の被害問題は、国民の「宗教嫌い」をさらに決定的なものにした。大手メディアやNHKなどの報道番組が連日報じた被害の実態は、新興グループだけでなく宗教全般に対する警戒感を極限まで高める結果となった。
社会の厳しい視線にさらされる中、若年層を中心に「自分は無宗教である」と強くアピールする傾向が強まっている。だが、その一方で、孤独感や将来への漠然とした不安を抱える現代人が、心の拠り所を求めて迷走する姿も浮き彫りになる。
教義による束縛を拒絶しながらも、精神的な救済や癒やしを切望する——この矛盾したジレンマこそが、現代日本人が抱えるアイデンティティの迷いそのものと言えるだろう。