てりたま丼の味を決定づけるのは、照り焼きダレの配合と、肉の水分を保つ加熱技術です。料理研究家やプロの厨房で広く採用されている「失敗しない基本比率」は以下の通りです。
【てりたま丼黄金比のタレ(2人前)】
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ2
・料理酒:大さじ2
・砂糖:大さじ1(コクを深めたい場合は三温糖やきび砂糖を推奨)
・お好みで:すりおろし生姜小さじ1/2、またはオイスターソース小さじ1/2
この配合は、糖分とアルコール、醤油のアミノ酸が加熱によってメイラード反応を起こし、最も豊かな香ばしさと上品な照りを生み出す比率です。しかし、どれほどタレが完璧でも、肉自体の水分が抜けてしまっては台無しになります。肉を劇的に柔らかくジューシーに仕上げる鍵は、「事前のフォーク刺し」「保水コーティング」「余熱火入れ」の3工程にあります。
まず、肉の繊維を断ち切るようにフォークで全体を数カ所刺し、料理酒少々を揉み込みます。次に、薄く片栗粉をまぶしてから焼くのが最大のポイントです。片栗粉が肉の表面に薄いデンプン膜を形成し、加熱による肉汁の流出を物理的に遮断します。さらにこのデンプン膜が、後から加えるタレを余すことなく抱き込み、冷めても味がぼやけずしっとりとした質感を保ち続けます。