ネット上の一部コミュニティでは、「歌詞の悲愴感から見て、自暴自棄や死を美化した歌ではないか」という極端な解釈が語られることがあります。しかし、当時の制作背景と公式資料を詳細に辿ると、その見解が決定的な誤解であることが分かります。
Orangestar氏は2017年春から約2年間にわたり、モルモン教の宣教師としてアメリカへ赴くため、音楽活動を一時休止しました。『回る空うさぎ』が公開された2016年11月は、まさに作家自身が慣れ親しんだ日本での生活や創作活動から離れ、未知の環境へと旅立つ直前の過渡期でした。
歌詞中に見られる別れの予感や不安、それでも「前を向いて回る世界を生きる」という意思表明は、作家自身のリアルな葛藤と祈りの結晶です。つまり本作は、破滅を歌ったものではなく、「大切な場所を離れて新たな一歩を踏み出す人間の通過儀礼」を描いた再生の歌として捉えるのが極めて自然です。