アスベスト除去工事の徹底は、再開発プロジェクトの採算性にも直結してくる。厳重な封じ込め措置や専門業者への委託コスト、さらには事前調査に要する期間の長期化により、解体費用は従来の1.5倍から2倍近くに膨れ上がる事例も珍しくない。
千代田区の一等地という土地柄、開発遅延による賃貸機会損失のインパクトは甚大だ。しかし、コストカットやスケジュール優先のために事前調査を怠ったり、処理手順を簡略化したりすれば、一発で事業停止命令が下り、企業の社会的信用は失墜する。事業者は安全性と経済性の間で厳しい綱渡りを強いられている。