「体力をつけて病気を克服したい」「体重が増えてきたから運動で絞りたい」と考える患者は少なくありません。しかし、ホルモン値が安定していない時期の激しい運動(ランニング、筋力トレーニング、激しい球技など)は絶対厳禁です。
甲状腺機能亢進状態では、基礎代謝が異常に高まり、交感神経が過剰に刺激されています。ベッドに横たわっているだけでも心臓は常に全力疾走しているような状態であり、心拍数や心拍出量が大幅に増加しています。この状態でさらに運動負荷をかけると、心筋組織に過度な負担が集中し、致死性の不整脈(心房細動など)や急性心不全を引き起こす引き金になります。
運動制限の目安として、血液検査でFT3やFT4の数値が完全に正常範囲内へ落ち着くまでは、日常生活の買い物や通勤などの軽い歩行にとどめ、息が上がるような活動は控える必要があります。主治医から「運動許可」が出るまでは、焦らず心臓を休ませることが最優先の治療行動です。