神奈川の水瓶は危機か?宮ヶ瀬・相模湖の最新貯水率と渇水の真相

神奈川の水瓶は危機か?宮ヶ瀬・相模湖の最新貯水率と渇水の真相

神奈川の水瓶は危機か?宮ヶ瀬・相模湖の最新貯水率と渇水の真相に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

神奈川県がこれほどまでに水不足に対して強い耐性を持つ理由は、単にダムが大きいからだけではありません。県が半世紀以上にわたって構築してきた「水系間連絡システム」というインフラの勝利にあります。

通常、多くの自治体は一つの主要河川に依存しているため、その流域で雨が降らなければ直ちに給水制限の危機に直面します。ところが神奈川県の場合、全く別の山系を源流とする2大水系が地下で結ばれています。

  • 相模川水系:山中湖を源流とし、桂川・道志川・中津川を統合。宮ヶ瀬・相模・城山の3大ダムが連携。
  • 酒匂川水系:富士山南東麓・丹沢西麓を源流とし、三保ダム(丹沢湖)を拠点とする。
  • 相模・酒匂連絡導水路:2つの水系を地下巨大トンネルで連結。相模川水系が潤沢なときは酒匂川水系へ、酒匂川水系が豊かなときは相模川水系へと、最大毎秒約20立方メートルの水を相互に融通可能。

この高度な融通機能により、仮に東丹沢地域で集中的な干ばつが発生しても、富士山麓の湧水を多く含む酒匂川から水を送り込むことができます。逆に西湘地域で水が不足すれば、宮ヶ瀬ダムの莫大な貯水を瞬時にパイプライン経由で届けることが可能です。

かつて昭和40年代から50年代にかけて深刻な渇水と給水制限を幾度も経験した神奈川県は、痛烈な教訓をもとに巨額の公共投資を行い、日本でも屈指のバックアップ体制を完成させました。現在の安定した水環境は、先人たちが積み上げたインフラ設計の恩恵に他なりません。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。