鈴虫の鳴き声が電話で聞こえない真相|4500Hzの科学と驚きの理由

鈴虫の鳴き声が電話で聞こえない真相|4500Hzの科学と驚きの理由

鈴虫の鳴き声が電話で聞こえない真相|4500Hzの科学と驚きの理由にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

なぜ日本人は、西洋では「雑音(ノイズ)」として片付けられがちな虫の鳴き声にこれほど深い情緒や心地よさを感じるのでしょうか。東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信氏による研究「日本人の脳」では、西洋人が虫の音を右脳(音楽や雑音を処理する脳)で受け止めるのに対し、日本語を母国語とする人々は虫の音を左脳(言語を処理する脳)で言語情報と同じ文脈で受容するという興味深い生体反応が報告されています。

さらに現代の環境生体工学の研究では、鈴虫の鳴き声に含まれる音響構造そのものに自律神経を整える生理学的根拠が見出されています。鈴虫の鳴くリズム(間隔・強度・テンポ)を周波数解析すると、規則性と不規則性が絶妙なバランスで調和した「1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)」の特性を示します。1/fゆらぎは、小川のせせらぎ、木漏れ日、人間の心拍間隔など自然界の心地よいリズムに共通する物理現象です。

鈴虫の純度の高い高周波音を耳にすると、交感神経の過剰な興奮が鎮まり、リラックス状態を示す副交感神経が優位になることが実験で確認されています。脳波測定においてはリラックス状態を示すアルファ波の増加が確認され、睡眠導入や集中力回復をサポートします。パソコンやスマートフォンのブルーライトと人工的な合成音に囲まれる都市生活者にとって、秋の虫が奏でる自然の高周波振動は、過敏になった神経系を鎮静化させる天然のサウンドセラピーとして機能しているのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。