かつて「最も手軽で確実な貯蓄術」として親しまれた500円玉貯金が、なぜ今「損をする」と警戒されているのか。その背景には、全国の金融機関による硬貨取扱手数料の新設・値上げラッシュがあります。
金融機関の窓口に大量の硬貨を持ち込んで口座へ入金、あるいは紙幣へ両替しようとすると、硬貨の枚数に応じた「大量硬貨取扱手数料」が発生します。例えば、1000枚の500円玉(合計50万円)を窓口に持ち込んだ場合、ゆうちょ銀行や大手メガバンクでは1,000円〜1,500円前後の手数料が差し引かれます。さらにATMでの預け入れに関しても、硬貨対応ATMの縮小や時間外手数料の加算により、手元に残る金額が目減りするケースが日常茶飯事となっています。
各金融機関の公式開示データおよび取材をもとに、2026年時点における硬貨預入れ・両替にかかる手数料体系を整理しました。
注意すべきは、500円玉貯金において銀行手数料やゆうちょの手数料を回避しないまま一括換金すると、せっかくの利回りどころか元本割れに近い損失感を味わうという点です。また、令和3年発行の「新500円玉」は2色構造(バイカラー・クラッド)と異形斜めギザを採用しているため、旧型の駅券売機や飲料自販機、一部の古いATMでは読み取りエラーが発生し、受領を拒否されるケースが未だ残っています。事前の仕様確認を怠ると、両替の現場で二度手間を強いられることになります。