カダイフ(Kadayıf)とは、トルコやギリシャ、中東諸国で親しまれている伝統的な極細麺状のペストリー生地です。フランス料理でも「カダイフ巻き」として高級レストランの魚料理や肉料理の衣に使われており、料理界では古くから知られる存在でした。その細さからヨーロッパでは「天使の髪(エンジェルヘア)」とも称されます。
原材料は極めてシンプルで、基本は「小麦粉・トウモロコシ澱粉(コーンスターチ)・水・塩・植物油」のみ。液状の生地を無数の小さな穴があいたノズルから熱した回転プレートの上に細い糸のように垂らし、一瞬で軽く焼き固めて製造されます。
最大の魅力である「唯一無二の軽快なサクサク感」は、この極限の細さによって実現しています。バターやオイルを絡めて焼いたり揚げたりすると、瞬時に水分が蒸発して一本一本が香ばしくクリスピーに変化します。パイ生地やパン粉とは異なる、繊細でエアリーな歯触りが生み出されるのはこの構造によるものです。