「パチパチと火花が飛ぶ程度なら、すぐに止めれば火事にはならないだろう」という油断は極めて危険です。東京消防庁が公開している電子レンジ火災の再現実験ニュースや調査報告によると、レンジ庫内で生じた放電は、わずか数秒で周囲の可燃物へと燃え広がることが実証されています。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)および消防機関の統計データによると、家庭用調理家電に起因する火災事故のうち、電子レンジ関連の火災は近年も年間60件から80件前後で高止まりしています。そのうち約3割が、食品包装材や金属類の誤投入に起因するものです。
火花そのものが食品トレー(発泡スチロール)や油分、敷き紙(クッキングシートなど)に引火すると、レンジ庫内という密閉空間で一気に炎が立ち上がります。さらに深刻なのが電子レンジでアルミホイルが引き起こす爆発の危険性です。反射されたマイクロ波がマグネトロンの放射口へ逆流して局所的な超高熱を生み出し、導波管カバー(マイカ板)が炭化・破損して本体が爆発的に損壊するケースや、庫内の気化した油脂ガスに引火して前面ガラス扉が吹き飛ぶ重大事故が実際に記録されています。