小樽出抜小路のシンボルでありながら、意外と知られていない隠れた見どころが、施設の中央部にそびえ立つ木造の「火の見櫓(ひのみやぐら)」です。明治・大正期の消防組が火災の監視に使っていた見張り塔を模して作られたこの建造物は、上部が展望台として一般開放されています。
入場料は完全無料で、敷地内の階段を登るだけで誰でも自由にアクセスできます。狭い螺旋階段を上がると、小樽運河の浅草橋、ガス灯が灯る散策路、さらにはその先にある小樽港の水平線までを360度近い角度で見渡すことができます。
地上から見上げる小樽運河は定番の写真構図ですが、火の見櫓の上から見下ろすアングルは他のどの展望台とも異なる立体感があります。特に夕暮れどき(ブルーアワー)から夜にかけては、石造り倉庫群のライトアップと行き交う観光船の光跡が運河の水面に反射し、息をのむほど幻想的な光景が広がります。食事の合間や食後の散策時にふらりと立ち寄れる、出抜小路ならではのプレミアムな体験です。