千原兄弟を語る上で欠かせないのが、母親の圧倒的なキャラクターと教育方針です。テレビ番組『にけつッ!!』や各種バラエティでジュニアさんが披露する母親のエピソードは、常にスタジオを爆笑の渦に巻き込みます。
ジュニアさんが引きこもっていた時期、一般的な親であれば無理に学校へ行かせようと叱責したり焦燥感を露わにしたりしがちですが、千原家の母親は過剰に干渉することなく、静かに食事を用意し続けました。ある日、部屋の外から「浩史、ご飯できたで」と声をかける際、ドアの隙間からファミコンの新作カセットを無言で差し入れたというエピソードは、息子の苦悩を受け止めつつ適度な距離で見守る独自の母性を示しています。
また、過去に放送されたドキュメンタリー番組やバラエティのロケ企画で公開された千原兄弟の実家写真や家族写真からは、昭和の地方家庭らしい温もりとともに、どこかハイカラな雰囲気が漂っていました。社交的で人脈の広いせいじさんと、内省的で鋭利な感性を持つジュニアさんという対照的な兄弟が同じ屋根の下で育ち、衝突しながらも決定的な場面で手を取り合えたのは、両親が築いた「互いの領域を侵さない寛容な空気」があったからに他なりません。