シンガポールの高等教育を語る際、NUSとNTUの陰に隠れがちですが、実業界で絶大な存在感を放っているのがシンガポール経営大学(SMU: Singapore Management University)です。総合大学を対象とする一般的な世界大学ランキングでは医学校や理工系学部を持たないため順位が目立たないものの、シンガポール経営大学の評判と就職実績は、現地でNUS・NTUのトップ学部と完全に肩を並べています。
2000年に設立されたSMUは、米国の名門ペンシルベニア大学ウォートン・スクールをモデルに構想されました。キャンパスは郊外ではなく、シンガポールの金融街(CBD)に隣接する都心の一等地に位置しています。特筆すべきは、徹底した米国型セミナー方式の授業です。1クラス最大45人程度の少人数制で行われ、成績の約3割が「授業中の発言・プレゼンテーション」によって評価されます。
シンガポール教育省(MOE)が毎年実施する「大学卒業生雇用調査(Graduate Employment Survey)」の最新公表データによると、SMU卒業生の就職率は例年9割を超え、平均初任給の高さではNUSやNTUのビジネス・法学系とトップを争っています。外資系投資銀行、経営コンサルティングファーム、多国籍IT企業の採用担当者は「SMUの卒業生は入社初日からクライアントの前で堂々とプレゼンできる実戦力がある」と高く評価しており、アジア大学ランキング上位のビジネススクール群の中でも、即戦力人材の輩出機関として別格の地位を築いています。