異変が起きたのは2021年3月23日でした。発熱や激しい息苦しさ、胸の違和感を覚えた志尊淳さんは、都内の医療機関を受診。そこで告げられた診断名は、心臓の筋肉に急激な炎症が起きる「急性心筋炎」でした。病状の進行は極めて急速で、心機能の低下に伴い心不全症状を併発し、即座に集中治療室(ICU)へ搬送される事態となりました。
所属事務所からの公式発表では「急性心筋炎により入院」と簡潔に伝えられたものの、実際の病状は発表以上に逼迫していました。本人が後に特番インタビューや手記で語ったところによると、自力での呼吸が困難になり、胸を締め付けられるような激痛に襲われる中、医師からは「あと数時間処置が遅れていたら助からなかった可能性が高い」と宣告されるほどの危機的状況だったと明かされています。
当時26歳という若さ、かつ日頃からトレーニングを欠かさず健康そのものに見えた青年を突如襲った急性心筋炎。ウイルス感染や免疫反応が引き金となって発症するこの疾患は、初期症状が風邪に酷似しているため発見が遅れやすく、重症化すると劇症型心筋炎へと移行して心停止に至るリスクを孕んでいます。志尊さんの場合も、迅速な初期対応と集中治療が奏功しなければ、最悪の結末を迎えていた可能性が極めて高かったのです。