華やかな活躍の一方で、日米のルーツを持つ当事者たちが直面し続けているのが法制度の分厚い壁だ。日本の国籍法第14条は、重国籍となった者に対して一定の年齢までにいずれかの国籍を選択することを求めている。法務省の規定上、日本国籍を選択する際には外国の国籍を離脱する努力義務が課されるが、実態としては手続きの煩雑さやアイデンティティの不可分性から、葛藤を抱え続ける当事者は少なくない。
在日本米国大使館を訪れ、パスポートの更新や諸手続きを行うたびに突きつけられる「あなたはどちらの人間なのか」という無言の問い。アメリカと日本、双方に家族や愛着を持つ人々にとって、一方を法的に切り捨てる選択は精神的な痛みを伴う。近年では二重国籍の容認を求める声や訴訟も提起されているが、現行法と個人の尊厳とのギャップは依然として埋まっていない。グローバル化が加速する社会において、この制度的リアリズムは避けて通れない議論の焦点だ。