その象徴とも言える存在が、プラトゥーナム地区に店を構える「ゴーアン・カオマンガイ・プラトゥーナム」だ。スタッフが身にまとう鮮やかなピンクのポロシャツから「ピンクのカオマンガイ」として世界中の食通に知られるこの老舗は、ミシュランのビブグルマンを獲得して以降も、創業以来変わらない庶民的な価格と驚異的なクオリティを維持している。
しっとりとジューシーに茹で上げられた鶏肉と、鶏油や生姜の出汁を吸い尽くした香り高いライス。一口ごとに押し寄せる滋味深い旨味は、多くの人を虜にしてやまない。だが、行列の先に待つカウンターで英語メニューをただ指差すのと、流暢なタイ語で好みの部位を指定するのとでは、体験の解像度がまったく異なる。