季節予報を読み解く上で最大の鍵を握るのが、熱帯太平洋の海面水温変動です。世界気象機関(WMO)および気象庁の監視速報によれば、前年まで猛威を振るったエルニーニョ現象は春先までに終息し、2026年夏にかけては中立状態からラニーニャ現象へとシフトしていく可能性が高まっています。
歴史的な気象データを検証すると、エルニーニョ現象が終息した直後の夏、あるいはラニーニャ現象が発生している夏は、日本付近で太平洋高気圧の北への張り出しが強まる傾向が顕著です。フィリピン周辺の対流活動が活発化することで上昇気流が生じ、その下降流が日本付近の高気圧を背後から強化するメカニズムが働くためです。
「冷夏」が到来するための条件としては、オホーツク海高気圧が発達して冷涼湿潤な北東風(やませ)が東日本・北日本に吹き込み続ける必要があります。しかし、2026年の大気大循環予測では偏西風の極端な南下は見られず、むしろ偏西風が日本北方を蛇行して通過する見通しです。この構造により、冷たい気団が列島へ流れ込む余地は極めて小さく、構造的な猛暑がもたらされる蓋然性が強まっています。