豊田のプロレス人生において、最高のライバルであり最大の壁として立ちはだかったのがアジャコングだ。規格外のパワーと一撃必殺の裏拳で恐れられたモンスターに対し、豊田は持ち前のスピードと倒れても立ち上がる不屈の執念で真っ向から立ち向かった。
日本武道館や横浜アリーナなど、大箱の会場を揺らしたふたりの死闘は、女子プロレスの域を完全に凌駕していた。互いの肉体と精神を極限まで削り合う攻防は、リング上の表現がどこまで高く飛翔できるかを示す証明だった。痛みに耐え、歯を食いしばって技を繰り出し続けたあの熱狂は、四半世紀以上の時を経た今もファンの記憶の中で鮮烈に生き続けている。