煮付けを成功させる最大の関門が「下処理」だ。貝の中に砂が残っていたり、内臓の生臭さやエグみが残ってしまうと、どれほど上質な調味料を使っても料理が台無しになってしまう。
確実な砂抜きを叶える第一歩は、塩を用いた丁寧な揉み洗いにある。殻の表面についたぬめりや汚れを粗塩でしっかりと擦り落とし、流水で一気に洗い流す。さらに、適切な濃度の塩水に浸けてじっくり置くことで、内部に入り込んだ砂や雑味をきれいに吐き出させることができる。
苦味をゼロに抑える秘密は、下茹での温度コントロールと唾液腺(アブラ)の扱いに隠されている。グラグラと煮立たせるのではなく、静かに泡が立つ程度の湯で短時間下茹でし、すぐに冷水に取って余分なぬめりを拭い去る。このひと手間を惜しまないことで、臭みのない澄んだ味わいが確実に約束される。