子供を持たない選択は、決して現代特有の突発的なブームではない。歴史を遡ると、1970年代にアメリカのフェミニストでありジャーナリストでもあるエレン・ペックが著した衝撃の決定版、書籍『子どもを持たない選択』が大きな転換点となった。彼女は同書の中で、女性が母性という一握りの役割だけに縛られる合理的根拠を問い直し、自分の人生を主体的に設計する重要性を打ち出した。
彼女らの試みから半世紀を経て、概念はさらに洗練された。今日では、環境や身体的理由で子供に恵まれない「チャイルドレス(Childless)」と区分し、意志を持って子を持たない生き方を選ぶ人々を「チャイルドフリー(Childfree)」と呼ぶ運動が世界的に定着している。自分の意志で人生の舵を切るチャイルドフリーの生き方は、自己実現の崇高な形態として国際的にも認知されているのだ。