「青い光が見えた」――作業員たちの証言に登場するその閃光は、空気中の分子が励起される際に発するチェレンコフ放射だった。核反応が止まらない沈殿槽からは、目に見えない強烈な中性子線が絶え間なく周囲に放射され続けた。
事故現場から目と鼻の先にある日本原子力研究所のモニタリングポストは直ちに異常な線量を検知。東海村の周辺住民への避難指示や屋内退避勧告が出され、事態は一国の地方自治体を巻き込む未曾有のパニックへと発展した。水冷ジャケットの水を抜くという命がけの決死隊による作業によって、臨界状態が最終的に停止したのは事故発生から実に約20時間後のことだった。