つば九郎を唯一無二の存在たらしめているのが、切れ味鋭いつば九郎フリップ芸の真相です。政治風刺、芸能人のスキャンダル、さらには自軍ヤクルトの選手や首脳陣への容赦ないツッコミまで、攻めたネタが満載ですが、決して「炎上」して消えることがありません。ここには卓越した現場感覚とバランス感覚が存在します。
スタジアム関係者の証言によると、つば九郎のフリップネタは放送作家が台本を書いているのではなく、アクター本人が直前の控室でスポーツ新聞やタブレットを読み込み、試合直前の空気感を肌で感じながら自らの手で書き殴っているケースが多いとされています。時事ネタに対する反射神経の速さは、単なるキャラクターの枠を超えた一流のコメディアンそのものです。
この高度な職人芸が最も顕著に発揮されるのが、つば九郎ドアラ共演で見せる阿吽の呼吸です。中日ドラゴンズのマスコットであるドアラとは1994年デビューの同期。毎シーズン恒例となっている全国巡業のディナーショーや筆談トークショーでは、事前に綿密なリハーサルを行わずとも、視線や羽のわずかな動きだけで互いのボケとツッコミを成立させています。ファンの間でも「あの即興のやり取りは、何十年も現場の修羅場を共にしてきた同じ人間同士だからこそ成立する奇跡の空気感」と絶賛されています。