「毎年最高と言っていませんか?」という消費者の素朴な疑問に対して、現場のプロはどう見ているのだろうか。都内の有名レストランで活躍するベテランソムリエは、こう打ち明ける。「ガメイ種の新酒は熟成型ワインと違い、その年採れたブドウのダイレクトな品質が味わいにそのまま出ます。だからこそ、醸造家は毎年本気で『今年のブドウは素晴らしい』と評価するのです」
例えば、ブルゴーニュの気鋭醸造家エルヴェ・ケルラン氏のように、テロワール(風土)の個性を大切にする造り手たちは、キャッチコピーの派手さ以上にその年の収穫のドラマをワインに込めている。ソムリエの視点から言えば、キャッチコピーは単なる宣伝文句ではなく、その年のボジョレー地方の太陽と雨の記憶を解読するためのヒントなのだ。