漫画実写化における最大の難関は、二次元の記号的魅力を三次元の実在感へいかに昇華させるかだ。羌瘣が持つどこか浮世離れした美しさと、内面に秘めた凄まじい執念。これを両立させた清野菜名の芝居は、原作者である原泰久をもうならせた。
衣装の質感や装飾の細部に至るまで徹底的な試行錯誤が重ねられたが、何より大きかったのは清野の「眼光」の変化だという。カメラが回った瞬間、それまでの穏やかな表情が一変し、復讐と友情の狭間で揺れる哀愁を帯びた「羌瘣の目」へと変わる。撮影現場を訪れた原泰久が「そこに羌瘣が立っている」と漏らしたというエピソードは、ファンの間でも語り継がれている。