ここからが本題となる、鶏ささみ茹で方しっとり柔らかく仕上げるための実践プロセスです。結論から言えば、ガスやIHの火をつけっぱなしにして茹でてはいけません。鍵を握るのは「ささみ余熱調理のコツ」を正確に守ることです。
鍋に水1リットルを注ぎ、酒大さじ1、塩小さじ1/2を加えて強火にかけます。沸騰したら完全に火を消します。そこに、あらかじめ冷蔵庫から出して15〜20分ほど置き、室温に近づけておいたささみ(3〜4本・約200g)を一気に入れます。冷たいまま投入すると熱湯の温度が一気に下がり、加熱不足の原因になるため注意してください。肉を入れたら素早くぴったりと密閉できる蓋をし、そのまま動かさずに置きます。
このささみ沸騰火を止める放置時間は、7分から10分が黄金の計測タイムです。厚みがある大きめのささみなら10分、標準的なサイズであれば8分程度で引き上げます。火を止めた熱湯の温度は、投入直後に約85℃まで下がり、蓋をした鍋の中でゆっくりと70℃前後へと推移していきます。この穏やかな温度下降曲線こそが、肉汁を閉じ込めたまま芯まで熱を通す奇跡の環境を作り出します。