桑田真澄氏が15年ぶりに巨人のユニホームに袖を通したのは2021年シーズンのことでした。長年、野球解説者や大学院での研究活動を通じて独自のベースボール理論を磨いてきた桑田氏に対し、現場復帰を熱烈に口説き落としたのが当時の原辰徳監督です。投手陣の再建とチーム内の硬直化した空気の刷新を狙ったサプライズ人事として、球界に大きな衝撃を与えました。
復帰当初は投手チーフコーチ補佐、翌2022年には投手チーフコーチに就任。桑田氏がまず着手したのは、無駄な練習の排除と明確な登板管理でした。「量より質」を掲げ、投球フォームのメカニクス改善やメンタルコントロールを論理的な言葉で選手に伝達。感覚頼みになりがちだった投手の調整法にメスを入れたことで、プロ野球の現場に新たな風を吹き込みました。