80代での妊娠・出産が理論上可能だとしても、母体にかかる負担は致命的なレベルに達する。高血圧症候群や脳出血、心不全、子宮破裂など、母体の命を脅かすリスクは跳ね上がる。妊娠を継続すること自体が極めて危険なギャンブルと言わざるを得ない。
国内の医療体制を統括する日本産科婦人科学会は、超高齢出産や無秩序な生殖補助医療に対して極めて慎重な立場を崩していない。学会のガイドラインでは、母体保護と子どもの健やかな育成を最優先と位置づけており、ガイドラインを無視した野放図な医療介入に対して警鐘を鳴らし続けている。産婦人科医療の現場で働く医師たちも、日々の臨床で命の選択という過酷な決断を迫られているのが実情だ。