スピーチを練る際、父親世代が無意識に使ってしまいがちな落とし穴が「忌み言葉」と「重ね言葉」です。特に祝いの場において、別れや再婚、不吉な連想を抱かせる言葉は絶対に避けなければなりません。
例えば、「終わる」は「お開き」、「切る」は「包丁を入れる」、「離れる」は「巣立つ・旅立つ」と言い換えます。また、日常会話で頻繁に使う「ますます」「度々」「くれぐれも」「重ね重ね」といった同じ語を繰り返す重ね言葉は、結婚が「重なる(再婚する)」ことを暗示するため、結婚式のスピーチではタブーとされます。「いっそう」「深く」「心より」などのスマートな表現に置き換えるのが鉄則です。
さらに現代のマナーで決定的に重要なのが、新婦親族に対する言葉の選択です。「嫁にもらう」「内に入れる」「息子を立ててやってほしい」といった前時代的な家父長制を想起させる言い回しは、2026年現在のブライダルでは完全に不適切と見なされます。新郎側から新婦側へは「素晴らしい娘様を慈しみ育てられたことへの敬意」を払い、ふたりを「対等に手を取り合って新たな家庭を築く伴走者」として位置づける配慮が、参列者全員に清々しい感動をもたらします。