キャリア後半における彼女の代表作といえば、NHKラジオ第1放送の長寿番組『ラジオ深夜便』を外すことはできない。テレビの華やかなスポットライトから、深夜の静謐なラジオブースへ。
夜の静けさのなかで届けられる彼女の声は、不眠に悩む人や夜勤で働くリスナー、孤独を抱える人々の心を静かに包み込んだ。リスナーからのお便り一行一行に真摯に耳を傾け、自らの言葉でそっと寄り添う。そこには、テレビニュースの緊張感とはまた異なる、人間味あふれる温もりがあった。
広島局時代にも精力的にローカル発信を続け、郷土の記憶と平和の尊さを全国に問いかけ続けた。深夜の電波を通じて築かれたリスナーとの絆は、今も彼女の放送人としての誇りとして生き続けている。