ウエイトリフティングの二大種目である「スナッチ」と「クリーン(クリーン&ジャーク)」は、一見似たリフティング動作に見えますが、その挙動設計と求められる身体能力には明確な違いが存在します。
最大の違いは「バーベルを最終的にどこへ収めるか」という移動距離とキャッチ位置です。クリーンは床から鎖骨・肩のフロントラックポジションまで引き上げて一度受け止めるのに対し、スナッチは床から頭上まで一気に引き上げてオーバーヘッドポジションでキャッチします。バーベルの移動距離が長くなる分、スナッチは手幅を広く(ワイドグリップ)設定し、股関節の引きつけ位置を高く保つ必要があります。
扱える重量の観点で見ると、キャッチ位置が低いクリーンの方が高重量を扱える傾向にあります。対してスナッチは、絶対重量こそクリーンに劣るものの、バーベルを頭上まで引き上げる速度と瞬時の潜り込み(ドロップ)の速さがシビアに問われます。純粋な高重量パワーを追求するならクリーン、スピードと全身のコーディネーション能力を高めるならスナッチというように、トレーニング目的に応じた選択が推奨されます。