90年代前半、フリッパーズ・ギターの活動を通じて若者文化のアイコンとなった時代から、彼の音楽的志向は一貫して実験的だった。だが、Cornelius名義で発表した名盤『FANTASMA』や『POINT』は、従来のポップスの構造を完全に分解し、日常の環境音やノイズを音楽の構成要素へと昇華させた。この転換点こそが、彼をグローバルな評価へと押し上げた原動力である。
メロディの心地よさを担保しながら、リズムと周波数の実験を繰り返す手法。それは30年近く経った今も色あせないどころか、DTM(デスクトップミュージック)が主流となった現代において、その先進性が再評価されている。