口内炎対策として「ビタミンB」とひとくくりにされがちですが、特に重要なのはビタミンB2(リボフラビン)とビタミンB6(ピリドキシン)の2種類です。両者は似たような文脈で語られますが、体内での役割は明確に分担されています。
ビタミンB2は「皮膚や粘膜のビタミン」とも呼ばれ、糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変換する過程で不可欠な補酵素です。特に細胞の新生を強力にサポートし、傷ついた粘膜の修復を直接的に後押しします。B2が欠乏すると、口内炎だけでなく口角炎(唇の両端が切れる)や舌炎が多発しやすくなります。
一方のビタミンB6は、アミノ酸の再合成や神経伝達物質の合成、そして免疫細胞(抗体)の産生に深く関与しています。口腔粘膜の主成分であるタンパク質の代謝を助けるとともに、炎症を鎮めて免疫機能を正常に保つ防御壁の役割を果たします。特に舌の口内炎やピリピリとした痛みを伴う舌炎は、タンパク質代謝の滞りやビタミンB6不足が引き金となっているケースが多く見られます。
「ビタミンCとビタミンBのどちらを摂るべきか」という疑問も頻繁に聞かれます。ビタミンC(アスコルビン酸)はコラーゲンの生成を助けて毛細血管や結合組織を強固にし、高い抗酸化作用で白血球の働きを助けます。したがって、粘膜のターンオーバーそのものを回す主役はビタミンB群(B2・B6)であり、炎症を抑えて組織の結合を強固にするサポーターがビタミンCという位置づけになります。どちらか一方ではなく、両方をバランスよく摂取することが早期回復への相乗効果を生み出します。