歯科矯正の抜歯基準「アーチレングスディスクレパンシー」計算式と真相

歯科矯正の抜歯基準「アーチレングスディスクレパンシー」計算式と真相

歯科矯正の抜歯基準「アーチレングスディスクレパンシー」計算式と真相の注目されている理由をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

矯正治療の精密検査では、歯型模型や3D光学スキャナーを用いて歯列のミリ単位の計測を行います。アーチレングスディスクレパンシーの計算方法は非常に明快です。

具体的な算出は次のステップで行われます。

【計算手順】
1. 現有歯列弓長径(Available Arch Length)の測定:第一大臼歯(前から6番目の奥歯)の近心面から反対側の第一大臼歯の近心面まで、歯槽骨の頂点を通る理想的なアーチ状の距離(顎のスペース)を測定します。
2. 必要歯列弓長径(Required Arch Length)の測定:同じ範囲にあるすべての歯(切歯・犬歯・小臼歯の計10〜12本)の歯冠幅径(個々の歯の最大横幅)を測定し、その合算値を求めます。
3. 差分の算出:以下の計算式に当てはめます。

アーチレングスディスクレパンシー = 現有歯列弓長径 - 必要歯列弓長径

この計算によって導き出された数値が「マイナス」であれば、スペースが不足していることを意味します。たとえば「ALD = -6.0mm」の場合、すべての歯をきれいに一列へ並べるためには6.0mm分の隙間が足りないという確定診断が下されます。逆に数値が「プラス」の場合はスペースが余っている状態を示し、すきっ歯の治療計画を立てる指標となります。

なお、似た診断指標に「ボルトン比(Bolton ratio)」がありますが、これは「上の歯と下の歯の大きさの比率」を測る指標です。ALDが「1つの顎の骨と歯の大きさの調和」を見るのに対し、ボルトン比は「上下の噛み合わせの整合性」を見るという明確な違いが存在します。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。