ネット上の掲示板やSNSでは、あか牛丼に対して賞賛の嵐が吹き荒れる一方で、「要するにローストビーフ丼と何が違うのか」「タレの味が濃くて肉の味が隠れているのでは」といったシビアな意見も散見されます。このギャップはどこから生じるのでしょうか。
「ローストビーフ丼との違い」の真相
一般的なローストビーフはブロック肉をオーブン等で蒸し焼きにし、冷ましてから薄切りにするのが通例です。一方、本場のあか牛丼は、「高温の鉄板で表面を一気に焼き固め、適度な余熱で旨味を閉じ込めた後、温かい状態でカットして炊き立ての白米に載せる」ステーキ・たたきに近い手法が取られます。
これにより、冷たい肉特有の脂の固まり感がなく、赤身肉の温かな肉汁がご飯の熱とタレに溶け合います。下味とカットの厚み、肉味噌との相乗効果によって、一般的なローストビーフ丼とは根本的に異なる重厚な旨味体験が構築されているのです。
自宅でプロの味を再現する「黄金比タレ」のレシピ
家庭であか牛丼の雰囲気を再現したい場合、スーパーで手に入る赤身ステーキ肉(ランプやモモ)とともに、タレの調合が成否を分けます。現地の味付けを研究した再現配合は以下の通りです。
- 醤油:大さじ3
- 本みりん:大さじ2
- 清酒(または熊本の伝統酒「赤酒」):大さじ2
- 砂糖:大さじ1
- すりおろし玉ねぎ・にんにく:各小さじ1/2
- 隠し味(麦味噌または赤味噌):小さじ1
小鍋に調味料を入れて弱火でひと煮立ちさせ、アルコールを飛ばして少しとろみをつけるのがコツです。味噌の微かなコクが、赤身肉の野性味を包み込み、阿蘇の店舗で味わう奥行きのある風味に肉薄します。