台風本体の風雨以上に現代の防災現場を悩ませているのが、離れた場所で発生する線状降水帯だ。台風が大量の暖かく湿った空気(暖湿流)を送り込むことで、上陸の数百キロ手前の地域で豪雨が持続し、河川の氾濫や土砂崩れを引き起こす。
気象庁が提供する「キキクル(危険度分布)」は、こうした局地的大雨のリスクをメッシュ状に表示するツールとしてアップデートを重ねている。土砂災害、浸水、洪水それぞれの危険度が5段階のカラーコードで可視化され、スマホやテレビの防災アプリとシームレスに連携。自分がいる場所の危険度が「紫(危険)」や「黒(災害発生)」に達する前に、速やかな行動を起こすための指標として不可欠な存在となった。