かつて社会現象を巻き起こした映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の時代から十数年が経ち、日本の労働環境は表面上、劇的にクリーン化された。しかし、酒が絡むコミュニケーションの現場では、古い体質が依然として根強く残っている。
特にフルリモート化やハイブリッドワークが進むIT業界から、対面での人間関係が業務の肝となる飲食業界に至るまで、業種を問わず宴席でのトラブルは後を絶たない。職場の飲み会が「任意参加」という建前になったからこそ、参加した宴の席で説教が始まると逃げ場を失ってしまうのだ。
業務時間内であればハラスメントとして警戒される発言も、アルコールが入ることでタガが外れてしまう。昭和や平成のカルチャーを引きずった旧来型の組織では、飲み会での説教を「情熱的な指導」や「親愛の情の裏返し」と捉える風潮がいまだに根を張っている。