さんまのコンフィはなぜ骨まで柔らかい?志麻さん流の秘密と作り方

さんまのコンフィはなぜ骨まで柔らかい?志麻さん流の秘密と作り方

さんまのコンフィはなぜ骨まで柔らかい?志麻さん流の秘密と作り方の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

青魚であるサンマを低温のオイルでじっくり煮る際、下処理を怠ると魚特有の生臭い脂がオイル全体に溶け出し、食べられない仕上がりになってしまいます。お店レベルの洗練された味わいに引き上げる臭みを消す下処理の秘密は、徹底した「浸透圧脱水」と「血合いの除去」にあります。

まず、頭と尻尾を残して丸ごと1尾で調理する場合でも、お腹に3cmほどの切り込みを入れて内臓を抜き取り、背骨に沿って付着している赤黒い「血合い」を歯ブラシや竹串を使って流水で完全に洗い流してください。頭を落として2〜3等分の筒切りにする場合は、断面から骨の髄の血を優しく押し出すように洗います。この血合いが1ミリでも残っていると、加熱中に酸化した鉄分のような臭みが発生します。

水気を拭いた後に行う最重要工程が「塩振り」です。サンマの重量に対して1.0%〜1.2%の塩(1尾100gなら約1g〜1.2g、小さじ1/5強)を表面とお腹の中にまんべんなく振り、冷蔵庫で20分〜30分間置きます。すると浸透圧の作用によって、サンマの身の中から生臭さの元となるトリメチルアミンを含んだ水分が表面にびっしょりと浮き出てきます。この水分をキッチンペーパーで押さえるようにして1滴残らず拭き取ってからオイルに入れることで、臭みが消えるだけでなく、身に凝縮された旨味と適度な塩味が定着します。

さらに、にんにくとハーブの香り付けには黄金のバランスが存在します。サンマ3〜4尾に対して、包丁の腹で潰したにんにく1〜2片、ローズマリー1枝、タイム2枝、ローリエ1枚、赤唐辛子(種を抜いたもの)1本、黒粒こしょう5〜6粒が基本の黄金比率です。ここで注意したいのは、最初から強火でハーブやにんにくを焦がさないこと。冷たい状態のオリーブオイルにサンマと一緒にハーブ類をすべて投入し、そこからごく弱火にかけて温度を上げていく「コールドスタート」を徹底することで、オイルに繊細で芳醇な香りが移ります。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。